告白
余命半年のわたしは
思い残すことのないよう、
好きな人に告白しようと思います。
それくらい
良いですよね、先生?
「応援しますよ。
頑張ってください」
好きだよ、先生。
余命半年のわたしは
思い残すことのないよう、
好きな人に告白しようと思います。
それくらい
良いですよね、先生?
「応援しますよ。
頑張ってください」
好きだよ、先生。
そういえば、
おじいさんと初めて会った日、
あの人ったら、
青い薔薇をくれたの。
でも、普通は赤い薔薇よね?
あの意図は何だったのか・・・
今では確かめるすべもないわ。
[青い薔薇の花言葉 = 夢叶う]
30年前に仲間たちと埋めた
タイムカプセルを開ける日だ。
ところが、約束の時間になっても、
わたし以外に誰も来ない。
日が暮れてしまう。
仕方ないので、
ひとりで掘り出し、
入っていた手紙を読んだ。
「100歳のみんなへ・・・・・」
母親のセンスには
ついていけないと
クラスのみんなは言うけど、
わたしは母の
センスを信用している。
なにしろ母は、
あんなにも素晴らしい
男を選んだのだから。
「お爺さん、
お婆さん、
のぞかないで
くださいね・・・
絶対にのぞかないでくださいよ!
絶対に絶対に
のぞかないでくださいねー!!」
老夫婦が助けたのは、
鶴ではなく、ダチョウだった。
事実、彼は主人の帰りを
ずっと待っていた
わけではなかった。
本当は、道に
迷っていただけなのだ。
ひとりぼっちの彼は思った。
「渋谷に目印でも
あったらいいのに・・・」
「敵は本能寺にあり!」
「え? 敵はいったい
誰なのですか???」
「待っていろ、蘭丸。
お前は誰にも渡さない。
たとえ上様でも・・・」
「まさに、本能寺の恋・・・」
幼少期、初めて
チョコレートをくれた
金髪の人のことが、
今も忘れらない。
しかし、あれは
決して初恋ではなかった。
金髪のあの人は、進駐軍。
お客さん、
タクシーに幽霊が
乗ってくるなんて、
ありゃ都市伝説ですよぉ。
わたしなんて、
100年以上
タクシー運転手やってますが、
まだ見たことないですからねぇ。
困ったものだ。
最近の若いやつは
何でも歩きながら、だ。
今日も二宮
という若者が、
歩きながら本を読んでいた。
確か名前は、金次郎。
母が漬けた梅干しが、
残り数粒になった。
泣けるほど酸っぱい
母の味つけが、
わたしは嫌いである。
涙が止まらない・・・。
明日は母の一周忌だ。
教授、
〝肉食系女子〟
という言葉も
定着してきましたが、
女性はいつごろから
肉食化したのですか?
「そうですねぇ・・・
ジュラ紀あたり」
【成功】の対義語は
【失敗】と書いている
全ての辞書に訂正シールを貼れ!
誰が何と言おうと、
【成功】の対義語は
【諦
めること】である。
そうつぶやきながら、
男はパチンコ屋へ急いだ。
「世界があと1時間で
終わるとしたら、
アナタはどうする?」
「もちろん死ぬ前に
ベッドでキミを抱くよ」
「うれしいわ。
で、残りの57分はどうするの?」
ふと手に入れた
〝未来新聞〟に、
翌日の競馬の結果が載っていた。
「これでオレは億万長者だ!」
そう叫んだ男が、
裏の訃報欄
を見て、
真っ青になった。
『競馬で億万長者になった男性、
ショック死。』
ベランダから、
ふと下をのぞくと殺人現場だった。
しまった。
殺人犯と目が合ってしまった。
彼は、わたしの方を見上げながら、
指折り何かを数えている。
よく見ると、唇
がこう動いた。
「5階か」
囚われの姫を救うため、
勇者は〝竜〟に乗った。
「さぁ竜よ、我をのせて、
姫が待つ大空へ羽ばたけ!」
すると、土の中に潜り始めた。
勇者がのったのは
〝土竜
〟だった。
待望の新学期。
席替えのシーズンがやって来た。
わたしは祈りながらクジを引いた。
「あの人の近くに
座れますように」
一番前か・・・。
よし、あの人 に一番近い。
月への旅行が
一般的になった近未来。
月に着いても、
現地を全く見ようとせず、
土産物ばかり買い漁る
日本人観光客に
アメリカ人が尋ねた。
「もっと月を楽しんだらどうだい?」
「月なら地球からでも見えますから」
「例の兄弟が、
パリの飲食店を
ランク付けしはじめたぞ」
「え? あいつら、
ただのタイヤ売りだろ???」
「あぁ。しかも、
本にして出版するらしいぞ。
きっと、すぐ廃刊するさ」
遠足の写真が
心霊写真だと言われても、
普通の集合写真じゃないか。
おや、4列目の
男子の肩に影が・・・
これだね、教頭?
「いえ校長先生、
これ、もとは風景写真なんです」
さぁ願い事を言え。
2つだけ叶えてやろう。
「み、みずをください」
よし、ミミズだ。
「それは誤解です」
それ、ゴカイだ。
わたしは落ち目の芸人だ。
ひさしぶりに全国放送への
出演が決まった。
隠し芸大会というので、
必死に腹話術を特訓した。
本番当日、
わたしはラジオの
収録室に通された。
不景気を吹き
飛ばしてくれるよう、
会社の玄関に、
大きなまねき猫を飾った。
ところが、
まったく売り上げが伸びない。
やはり、
ねずみ講の会社では逆効果か・・・。
ウサギはとても疲れていた。
先ほど悪ダヌキを
カチカチ山で懲らしめ、
迷子のアリスを
不思議の国に案内してきたばかり。
昨日は、因幡
でワニザメに
追いかけられていた彼は、
亀に負けたのではない。
睡魔に負けたのだ。
大家さん、
わけあり物件に
住んでみて1カ月たちますが、
何も変わったことは
起きなかったので、
ぜひ格安でお借りしたいのですが?
あれ?
大家さん、
聞いてます???
「先生、
とても言いにくいのですが・・・」
「恥ずかしがらずに
症状を教えてください」
「昨日から、お尻の出入り口が
痛いのです。痔でしょうか?」
「そこは、出口でけっこうです」
同窓会のハガキが来た。
一瞬迷ったが、
初恋の男子に
どうしても会いたくて、
出席に〇をつけた。
今なら言えそうな気がする。
「ボクはキミが好きでした」
タイムマシンに乗ったのは、
〝誰が龍馬を殺したのか?〟
その真相を確かめるためだ。
よし、 1867年12月10日の
近江屋に着いた。
何やら騒がしいぞ・・・
龍馬はすでに討たれた後か?
「龍馬が! 龍馬が!
鉄の塊に圧し潰
されたぜよ!!」
突然、ボクの部屋に
住み着いた一匹の猫。
受験に落ちて泣いた日も、
恋人と別れて落ち込んだ日も、
いつも彼女は
ボクのそばにいてくれた。
よく見ると、耳の傷が
死んだ祖母にそっくりだった。
古事記の
〝国生みの段
〟には、
男神イザナキと
女神イザナミが
高天原
から地上に降りて、
日本をつくった
様子が描かれている。
まさに、神回である 。
宇宙人が襲来し、
慌てた地球人は、
・積極的に戦おうとする人
・それに従うだけの人
・宇宙人に情報を垂
れ流す人
の3つにわかれた。
こんな星は
いらないと、
宇宙人は呆
れ帰った。
「アテンションプリーズ・・・
お客さまの中に
パイロット経験者は
いらっしゃい
ませんでしょうか?」
泣き叫ぶCAの
アナウンスで、
わたしは目が覚めた。
一時は平均寿命が
男女ともに80歳を超え、
超高齢化社会に突入した
ある国があった。
しかし数十年後、
その国の平均寿命は
60歳まで下降し、
高齢化はストップした。
食生活とストレスが、
その国を救ったのだ。
カラスの騒音で、
眠れぬ夜が続き、
仕方なく高層ビルの
最上階に引っ越した。
久しぶりの静かな夜に、
妻はよろこび、
後日わが家には
コウノトリがやってきた。
ママ、カップ麺を
つくるときは
火傷
に気を付けてね。
「どうしたの?
急に???」
だって、かやくが
入ってるんだよ。
蟻は休まずに毎日働いた。
その横で、キリギリスは
バイオリンを弾いて
ばかりの日々。
やがて、蟻は過労で倒れ、
キリギリスは高名な
バイオリニストになった。
日ノ本
忍者大会で優勝した
猿飛佐助を呼び出したのは、
主君・真田幸村
。
「殿、褒美
を
いただけるのですか?」
「馬鹿者!
忍者が目立ってどうする!!」
人生に焦っている若者に、
老婆が言った。
「自分の歳を3で割ってみろ。
それが今のお前の
〝人生時間〟だ。
まだ昼だろ?
焦んじゃないよ。
あたしなんて3で割るとだなぁ(笑)」
やっと妻の機嫌が直って、
おかずが一品増えるんだ。
「課長、良かったですね!
では今日から
豪華な食卓になりますね?」
ああ、これで
久々に食えるよ、おかずを。
菜の花をいっぱい
摘んだから、
漬物にしようと思ったけど、
わたし、料理が
苦手だから、
料理学校で
習ってきたのよ、昨晩。
「一夜漬け・・・」
吾輩 は猫である。
親ゆずりの無鉄砲で、
子どものときから
損ばかりしているので、
名前すらまだない。
あれ?
入れ替わってるぅ???
負けず嫌いで
完璧主義の桃次郎は、
ケルベロスと
ハヌマーンと
ケツァルコアトルを仲間にした。
村人に請
われて、
これらの怪物退治に
名のり出たのは、
鬼たちだった。
「パトラッシュ、
疲れたろう。
ボクも疲れたんだ。
なんだかとても
眠いんだパトラッシュ・・・」
「だったら、はやくネロ」
アントワープ大聖堂に
木枯らしが吹いた。
「おじいちゃん、
ボクとかけっこしようよ!」
「ううむ・・・
あまり気が進まんのじゃが・・・・・」
「かけっこ、しようよー!」
「しかたない・・・
では麻雀
からやるか」
出逢ったころの
男女の気持ちが、
一生持続する薬を
発明した医師が
ノーベル賞を受賞した。
彼が手にしたのは、
医学賞ではなく、
平和賞だった。
わが国も、
象牙の売買を完全に
禁止する条約を
締結することになった。
「環境大臣、
今回の調印式に
その印鑑はマズイです・・・」
神様、わたしは初恋の彼と
いっしょに暮らしている
奇跡に感謝します。
嗚呼
、神様・・・
しかし、あとひとつだけ、
わたしに奇跡を
起こしてくれませんか?
彼と他人にしてください。
兄妹ではなく。
父が給料日に買ってくる
メロンが好物だった。
おとなになって、
あれは安価な
マクワウリだと知った。
当時の父の思いが胸に去来した。
来月、父の墓参りに
マクワウリを買おう。
ダメ男に振り回されてきた
わたしは、男の年齢は
実年齢マイナス10歳と
考えることにした。
だから、25歳は中3男子。
33歳でやっと社会人1年生だ。
最近できた彼氏は、
お金をくれと毎日ねだってくる。
仕方ない、彼は小6なのだ。
人間の男性に化けて、
合コンに参加したタヌキたち。
会場は美人ばかりで大喜び。
ところが、
油揚げと稲荷寿司しか
食べない女性陣。
戸惑うタヌキたち。
どうして私では満足
できないの?不安を
抑えて待つだけの切
なさが会えない禁断
症状まで呼び起こす
からこうしてあげる。
私からアナタへ必死
で呼びかけるからね。
田舎に帰省して、
祖母の手づくり味噌のとりこだ。
どっぷり都会に
染まったわたしは、
野暮ながら祖母に提案した。
「この味噌はネットで売るべきよ」
意外にも祖母はにっこり頷
いた。
翌日の台所には
網で包まれた味噌玉が並んだ。
彼とひとつ屋根の
下で暮らすのが、
わたしの夢だった。
最初は同棲することに
大反対してた彼だけど、
今は静かに眠っている。
この床の下で・・・・・。
ガムシャラに仕事をするのが
億劫
になり会社を辞めた。
数日後、元上司からが来た。
「キミにとって、
今回の選択は正しかったのか?」
私は、画面に浮かび上がった
〝正しい〟という文字を見つめた。
〝一〟と〝止〟に見えた。
一度止まってみるのも、
正しいと思うことにした。
新元号に変わる
タイミングこそ、
あの子を落とす
ラストチャンスだと、
思い切って声をかけた。
「元号が変わる瞬間の午前0時を
いっしょに過ごしませんか?」
「ごめんなさい、
今回は無理。次回はぜひ♪」
太っていて、メガネで、
白髪だらけの中年男が神に祈った。
「こんなわたしですが、
人々を喜ばせたいのです。
何とかなりませんか?」
神は言った。
「そなたに、空飛ぶトナカイと
大量のオモチャが入る
底なしの袋を授けよう」
太っていて、メガネで、
白髪だらけの中年男が神に祈った。
「こんなわたしですが、
人々を喜ばせたいのです。
何とかなりませんか?」
神は言った。
「そなたには、
世界中の人が好きになる
鶏肉料理をつくる才能を授けよう」
今日わたしは77歳になった。
仕事も趣味も謳歌し、
人生に悔いはない・・・というのは嘘だ。
ハタチのころ愛した女性に、
求婚しなかったことをずっと後悔している。
彼女はわたしと別れた翌年、
交通事故でこの世を去った。
何が喜寿
だ。
何も喜ばしくなどない・・・。
わたしは未だに独身である。
また大人たちから、
毎日遊んで暮らしては
人間ダメになると、
きつく言われたので、
一生懸命働いたら
どんどん貯金がたまって、
お金持ちになったので、
自分の好きなように
毎日遊んで暮らしていると
空襲にまぎれて
動物園の動物たちが逃げると
パニックになると
いけないので、
ゾウさんや
ライオンさんが
毒で殺されました・・・。
「パパ、どこの国のお話?」
「この国だよ」
わたしは職場で恋に落ちた。
しかし、彼は必ず
わたしよりも先に死ぬ。
わたしよりも年下で、
病気でもない彼なのに・・・。
わたしは死刑囚に恋をした看守だ。
毎年恒例だった
サバンナの動物による
サッカー大会が開催できなくなった。
人気チームの
ライオンとゾウが
11頭以下になってしまったからだ。
仕方ないので、
バスケットボール大会に変更したが、
その大会も数年で・・・・・
オレには競艇の
才能は無かった。
だから、もうボートは辞めだ。
つぎは競輪に
人生を賭けてみよう。
そう言って、
男は競艇選手を辞めた。
1発だけ弾丸を込めた銃を、
5人で回すロシアンルーレット。
最後の1人になった男が
泣きながら叫んだ。
「誰だよ?
この中で痛いのを
我慢したやつは???」
木桶で3年間
じっくり熟成させる
〝三年味噌〟を、
妻といっしょに仕込んだ。
3年後ふたりで米寿 を迎える。
そのときは、
旨い味噌汁と白米で
お祝いしような。
8月生まれのわたしが
「冬美」と名付けられたのは、
母が春香で、父は夏夫、
そして姉が千秋だったから。
最後に生まれた私に、
選択権は無かったようだ(笑)。
そんなことより、
散歩に行かないと。
行くよ、シーズン!
「ワンワン!!」
「ウサギ警部、
ハムスター氏は
自殺でしょうか?」
「いや他殺だよ。
自殺する者が、
頬袋
にエサを
入れておくはずがないだろ?」
「お母さん、
墨
で落書きしてもいい?」
「また筆 と和紙を使うのね?
まぁ自分の好きなことを
したらいいのよ。
人間だものね、みつを」
22世紀の中期まで続いた
インターネット時代には、
〝地鶏〟と〝蠅〟が
もてはやされたらしいが、
文献が古すぎて
解明できない・・・。
しかも、それらは
〝言い値〟で取引
されていたというから、
より謎は深まるばかりだ。
朴念仁
のわたしは、
生まれてこの方、
趣味という趣味は持たなかった。
これでは妻に笑われるので、
毎朝、土鍋で米を炊くことを日課にした。
弱火15分、蒸らし10分・・・
今朝も一番に
食べてもらうのは仏壇の妻だ。
頑張れ、
頑張れレジの人!
負けるな、
負けるなレジの人!!
「急にどうしたの?」
だってママ、
レジ応援お願いしますって放送が。
佐藤さんは、
わたしの悪口ばかり
言っているらしい。
わたしは佐藤さんの
悪口など言ったことないのに。
本当に性格が悪いなぁ、
佐藤さんって陰険
な女だ・・・。
可愛がっていた
ウサギが年老い、息絶えた。
大好物だったカボチャの種と
いっしょに、庭に埋めてやると、
翌秋そこにカボチャが芽を出した。
「ボクのカボチャだからね!」
あいかわらずの彼の声が聞こえた気がした。
まさか、こんな
記録的な大雨が
降るとは計算違いだ。
この雨が止む前に、
わたしは山へと急いだ。
今度は、
もっと深く埋めよう・・・・・。
「この森、ずっと視線を
感じるんだけど・・・」
きのせいだよ
「でも、ずっと見つめられて
いるような気が・・・」
だから〝木の精〟だよ。
いくら今の首相が
歴代最長の任期で
権力を誇示しようと、
国民を一斉に同じ方角に
向かせることができる黒幕
・・・いや黒巻は、
わたしだけだろう。
さぁ、日本人よ、
今年は西南西に向くのです!
幼少期、わたしは
この池でワニを見た。
しかし、誰にも信じてもらえぬまま、
ひねくれた大人になってしまった。
向こうで息子が呼んでいる。
「パパー!
ワニがいたよー!!
ホントだってば!!!」
ママ、お隣のおうちに、
てるてる坊主が吊
られているよ。
「そうなの?
可愛いいわねぇ」
うん。
とっても大きくて、
隣のおじさんくらいあるよ。
妻を亡くし、
独り残されたわたしが、
俳句にハマるとは自分でも驚いている。
数ある季語の中でも、
お気に入りは「猫の恋」だ。
初春の〝盛り〟のころの季語である。
ちなみに「猫の子」は晩春の季語(笑)。
おや、句会のお誘いメールだ。
わたしの「猫の恋」は遅れてやってきた。
やつはとんでもない物を
盗んで行きました。
「ルハンおしさまは、
何も盗んてないてすわ」
アナタの
『゜』
と
『゛』です。
生まれてからずっと
ヴィーガンだという僧侶が、
大豆でつくった
ハンバーグを
食べて思わず口走った。
「あぁ神様・・・
本物と同じ味です」
わたしは議員になって、
まず最初にアメリカへ
視察旅行に赴
いた。
現地で一番驚いたのは、
マンハッタンの高層ビルでも、
グランドキャニオンでもない。
3歳児でも
英語がペラペラだったことだ。
津波が怖いので
山間部に引っ越し、
墜落を恐れて
飛行機にも乗らず、
爆発しないよう
ガス器具も使わない男。
それでもまだ心配事が尽きず、
今日もタバコの
本数が増えた・・・。
人気番組をマネて、
池の水をぜんぶ抜いてみた。
しかし何も起こらなかった。
せっかく苦労して水を
抜いたというのに、
そのままの也を見て、
由干と戻が㐬れた。
兄は嫌味のように
わたしに言う。
いつまでも、
ひな人形を出しっぱじゃ、
嫁に行くのが遅れるぞ。
だって、
片づけようとしても、
いつも邪魔されるんだもん
・・・お父さんに。
横断歩道で
写真を撮っている、
あのふざけた
若者たちは誰だ?
「止めさせましょうか? 警部」
いや、
そのままにしておけ。
宗教上の理由から、
牛肉を
食べられない彼氏と、
豚肉を
食べられない彼女。
ふたりのデートは、
もっぱら焼肉店の
個室だった。
「ソーセージなんて食べ方、
よく考えたよなぁ。
肉の食べ方を
熟知しているからこその職人技だ」と、
日本の魚屋が言った。
「カマボコなんて食べ方、
よく思いついたよなぁ。
魚好きだからこそできる名人技だよ」と、
ドイツの肉屋が返した。
戦争で息子を亡くした曾祖母
は、
毎日、墓参りを欠かさなかった。
しかし、その墓には
息子の爪しか入っていない。
太平洋戦争では、
犠牲者の遺体すら回収できなかったのだ。
これで、やっと天国で
息子を抱きしめられるね、ばあちゃん。
息子はわたしに似ず、
頭脳明晰である。
顔は妻に似て美男子だ。
おまけに運動神経も抜群で、
近所に住むJリーガーが
息子を見て驚いていたほどだ。
一体誰に似たのだろう・・・・・
人間界と同様、
サバンナでも新手の
詐欺が問題になってきた。
ライオンはライオンでも、
わたしは〝ジャングル大帝〟と
呼ばれるほど偉いから金を貸せ!
「レオレオ詐欺!!」
今年から、わたしの
誕生日ケーキが小さくなった。
「パパが先に
食べちゃった分よ」と母は笑う。
そうか、
パパも祝ってくれて
いるんだね、天国で。
「オレは未来から忠告しに
やって来たお前自身だ。
近々、お前は殺される!
だから気をつけろ!!」
なんだ、この怪しい男は・・・。
わたしは台所の包丁を、
強く握りしめた。
この動物園で働くのも今日で最後だ。
退職する前に、
園で一番の先輩に挨拶をして帰ろう。
なにせ、わたしが新入社員の
ころからのつきあいだ。
「長年お世話になりました。
ゾウガメさん」
今日も学校に行きたくない。
お母さんからの
プレッシャーに、
ボクはこれ以上、
耐えられない・・・。
ボクにはしょせん無理なのだ、
校長試験に受かるなんて。
「ママ、このカボチャに
落書きしてもいい?」
「またブツブツの
模様を描くのね?
周りのみんなは
気持ち悪いって言うけど、
好きなように描けばいいのよ、
彌生
ちゃん」
高校生の息子から
の返事が来ない。
夜9時だというのに
既読にもならない。
どうしよう・・・・・
何かあったのよ、
きっと・・・
修学旅行先のハワイで。
理不尽な切腹を命じて、
アナタの命を
奪おうとする秀吉の
ことを恨んでいますか?
「まぁまぁ、そんなことより、
一服お点
てしましょう」
お茶を濁しましたな・・・。
誤って崖から
海に落ちてしまった。
途中で、木の枝に引っかかり、
一命はとりとめた。
「こっちよー」
助かった!
誰かが呼ぶ声が
聞こえる、海面から・・・。